花粉症
花粉症とは、植物の花粉が、鼻や眼を中心とした粘膜に接触することによって引き起こされるアレルギー症状の総称です。4大症状として、くしゃみ・鼻水・鼻づまり、眼の痒みがございます。主には冬~春にかけておこるスギ、その他ヒノキ、ブタクサなど50種類もの花粉が挙げられています。また、スギ花粉症は年々患者数が増加し、1998年と2008年で比較すると、有病率は16.2%から26.5%へと1.6倍に増加しています。
花粉症・アレルギー性結膜炎の予防
一般的な予防
- マスク・眼鏡(花粉除去用ゴーグル)・帽子を着用する
- ついた花粉は落として室内に入る
上記のようにアレルゲン(花粉やハウスダストなど)に極力触れないようについた花粉は落として室内に入る……などが予防法として挙げられますが、それで症状が軽くなる…という人はごくわずかで、根本的な解決にはなりません。
そこで当院では、根本的な軽減策として、下記のような体質改善をおすすめしております。
アレルギー性結膜炎
花粉症中で眼科に来られる方で、一番多いのはアレルギー性結膜炎です。花粉をはじめ、様々な物質に対するアレルギー反応により、目の充血やかゆみが起こる病気です。
日本人のおよそ15~20%、約2,000万人がかかっていると推定されており、近年その患者数はますます増えていると考えられています。
(1)アレルギー性結膜炎の種類
「季節性アレルギー性結膜炎」季節に伴う花粉の散布が原因で起こる結膜炎です。
「通年性アレルギー性結膜炎」ダニやハウスダストなど1年を通して存在するものが原因となります。
「春季カタル」春から秋にかけて症状が悪化し、時には角膜に潰瘍をつくることが多いため、眼科の受診が必須。10歳前後の男子学童に多い傾向があるが、アトピー性皮膚炎合併例では20歳まで発症することがあります。
「巨大乳頭結膜炎」はソフトコンタクトレンズを使っている人に多くみられます。
(2)アレルギー性結膜炎の症状
- 目の痒み
- 充血
- 目やに(涙のようにサラサラした水状のもの)
- 涙が出る
- まぶしい
- ゴロゴロする、異物感
- 目の乾き(ドライアイとアレルギー性結膜炎は同時におこりやすい疾患です。)
※これらの症状から目を掻いてしまい、黒目を傷つけている場合があります。また、瞳の中心に傷が多いと視力低下している場合があり、さらに巨大乳頭結膜炎、春季カタルなどの場合は、重症な角膜潰瘍ができてしまう可能性があります。
(3)花粉症・アレルギー性結膜炎の治療
点眼・内服・点鼻薬当院で全て処方できます。 当院では患者さまの初診~お薬受け取りまでを含めた診察終了時間を短くするため、院内処方 の形態をとっています。 (尚、当院にてご用意のないものは申し訳ありませんが、院外処方でお願いしております。)
当院でお渡しできる花粉症の治療薬の表
点眼液 軟膏 | 防腐剤によってアレルギーをおこす方がいます。 当院では防腐剤が少ないタイプ・もしくは防腐剤なしの点眼液をご用意しています。 |
---|---|
内服薬 | 眠くならないタイプの内服薬をご用意しています。 |
点鼻薬 | 即効性のあるものはリバウンドがありおすすめしていません。 |
医療による治療
点眼液
抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤
花粉などの「抗原」が身体に侵入するために人の身体は防御しようと様々な化学物質(ケミカルメディエイターとも言います)を放出しますが、アレルギーの方はこれらが痒みの原因になってしまいます。
これらのうちの一つで良く耳にするのがヒスタミンと言われている化学物質です。これをブロックする薬を抗ヒスタミン剤と言い、その他の化学物質を抑える薬を抗アレルギー剤と総称して呼んでいます。
点眼液には防腐剤が入っています。防腐剤はある程度は必要ですが、防腐剤に対してアレルギーや眼障害を起こしてしまう方もいます。当院では防腐剤を含まないものから、さまざまな点眼液を取り扱っています。
もし通年ご使用されているもので、ご自身にあったものがございましたらお申し付け下さい。
ステロイド点眼液・ステロイド軟膏
ステロイド剤は症状や年齢、アレルギー症状や部位に対して濃度や頻度、性状(液体か軟膏かなど)が異なってきます。
とくにお子様と受診される保護者の方など、ステロイド剤を使用することに関して心配する方がいらっしゃいますが、症状がひどい時は一度、ステロイド剤を用いて、症状のリセットをする方が良いこともあります。
また、点眼・軟膏におけるステロイド剤は、比較的低濃度のことが多く、メリットの方が多いのです。
ただし、やみくもに使用するのはあまり良いことではありません。眼科医の処方のもと、正しくお使い下さい。
免疫抑制剤
自身の免疫力が花粉によって活発に働くのを防ぎます。防腐剤が入っていない点眼液です。
点鼻液
即効性があるものはリバウンドも激しくおすすめしませんが、当院でお渡しするものは、鼻水にも鼻づまり両方に効果があります。
内服液
抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤
眠くならない内服薬をおすすめしていますが、アレルギー症状を抑える薬は人によっては眠くなる……とおっしゃられる方もいます。 通年ご使用されて、ご自身にあったものがございましたらお申し付け下さい。
漢方薬による治療(保険適応)
当院では漢方薬によるアレルギー治療も行っております。アレルギー性疾患に対しては「小青竜湯」が効果的です。ただし、症状がひどくなってからの服用は効果的ではありません。スギ花粉症は早ければ1月終わりから始まります。早めの内服をお勧めいたします。
当院では顆粒か、持ち運びに便利な錠剤どちらかお選び頂けます。
自己治癒力を高めたい・身体改善プログラム(自費治療)
薬剤は症状の強い時には確かに必要です。対症療法と言って、症状を緩和させることはできますが、アレルギー体質が改善されるというわけではありません。
またこれら薬剤は、急性期のアレルギーを抑えることはできても、慢性的なアレルギーに移行してしまうと完全にスッキリ治りません。
そのためにも当院では、薬ばかりに頼らず、正常な免疫システムを構築するための身体作りをお手伝いさせて頂きます。
その鍵を握るのは、栄養素と腸内環境です。
当院では、患者さまの体質に合わせた身体改善プログラムも行っております。
即効性のある治療、ボトックス点鼻療法(自費治療)
人間の身体は自律神経のバランスが崩れた時に、様々な障害を起こします。
アトピー性皮膚炎や、花粉症、アレルギー性結膜炎などのアレルギー疾患は、副交感神経が優位になった時に起こりえます。
ボトックスは、ボツリヌス毒素Aと言われるタンパク質で、副交感神経の神経伝達物質アセチルコリンをブロックする働きがあります。即効性があり、点鼻治療ですが、結膜炎や喉の症状まで抑えると言われています。
効果期間 | 2週間~1ヶ月(個人差があります) |
---|---|
使用可能頻度 | ワンシーズン2回まで |
費用 | 15000円/回 |